「ホットロッド」と称されているのは殆どの方は何気無く「アメリカのカスタマイズカーのジャンルと考えられるもの」という認識はありますが、実際説明可能である人はほとんどのケースで存在しないんじゃないでしょうか。横浜の「ムーンアイズ(MOONEYES)」が主催し、例年末に催される「ヨコハマホットロッドカスタムショー」といったイベントがありますが。けれども「ホットロッド」とネーミングが付いているというのに、昨今では相当なジャンルのカスタマイズ車両が集中し、いずれの車両がホットロッドなんだろうかがよく解らないのが現状ではないでしょうか。
元を正せば「ホットロッド」と言いますのは、大衆車を改造してハイスピードにしてみたスーパーカーということなのです。第二次世界大戦以前のスポーツカーと言ったら、欧州ではイタリア、ドイツ、イギリス等、従来から市販車として登場していました。しかしながら米国では1954年にシボレー・コルベットが生産をスタートするまでスポーツカーは市場に出ていなかったのです。
1930年代よりカリフォルニアのドライレイクだとスピードトライアルが活発に行われており、こういったレースに出場してたのは原則お金が無い若いガレージビルダー達。その分リーズナブルにゲットできる古い中古自動車をベースにして、エンジンをホップアップ(俗にいうチューニング)を行なったり、フェンダーなどといった要らないコンポーネントや装飾品を除去てボディーをスリム化し、スピードを競い合ったのです。
それこそが戦後のカリフォルニアを中心として人気を博して行ったホットロッドの源であり、シンプルにいうと、大衆車を改造したりしてハイスピードに作られたのがホットロッドでして、このこと自体が戦前にアメリカ人が作り出したスポーツカー・カルチャーという事実となります。